ビアンカとフローラ2
(PS2リメイクにおける二人の考察)


 ビアンカとフローラネタその2です。
 さて、PS2が発売されました。フローラの待遇が良くなっているのではないか、と噂されましたが、 現時点(まだクリアしてません。)ではビスタ港で出会うことと、結婚式場くらいしか変更点がないようです。 修道院であわすことが出来ないのなら、発見者はフローラで、主人公が寝込んでいる間に帰っていった、 くらいして欲しかったものである。
 それでも多少なりとて改善されているので、フローラファンは喜んでいらっしゃるのではないか、 と様々なHPを見させていただいたのですが…喜んでらっしゃる方も もちろんいるのですが、フローラファンには評判良くなかったりします。まぁ、わたしでもそう思う。 あと一押し!とは思いました。

 反論の意見を端的にまとめると、こんな感じ? 「堀井先生はフローラを選んでもらえるみたいな事言っていたけど、ビスタ港であったくらいで フローラが選ばれるわけがない」「むしろビアンカのかわいさが増して、フローラが不利になった」 結局そんなに違いはなかった。
 この意見にはある程度賛成します。が、
「パッケージもフローラバージョンがない」「どう考えても公式ではビアンカと結婚するようになっている。」 「どう考えてもビアンカとフローラは対等じゃない」「不公平だ、何のために選べるようになっているんだ」
 …ちょっとまて、それは違う、違うぞ。ビアンカとフローラが対等じゃないのは、当たり前だと蒼夢は思う。 今回のリメイクに不満がないわけではないが、そこらへんを誤解したまま非難するのはなんだかな、と思うので今 ここで書き綴りたいと思う。

 えっとですね、これはギャルゲ―だと思うのです。ここのところはあきらかにギャルゲ―を意識していると思うのです。 ギャルゲーに公式ヒロインがいるのは(なぜか)当然だし、そのヒロインが贔屓されるのは当然なのです。 その理由は知りません。考えてみれば「公式ヒロイン」なんて用意しなくてもさして支障がないはずなんですが、 ほとんどのギャルゲーに『ヒロイン』というものが用意されています。
 ときメモだって パッケージ明らかに詩織がでばってるし、公式二次物のほとんどが主人公とくっつくのは詩織です(小説は違いましたが、 ゲームの「主人公」の位置付けにいるキャラは詩織のキャラでした)。まっさきにアイドルデビューしたのも詩織ですし、 CDも出されました。そもそもときメモは「詩織と付き合うこと」が真っ先に目的としてOPに出され、 必ず登場して主人公を悩ませます。TOHEARTなんて、パッケージはあかりしかいないよ?アニメでも あかりとくっついてるはずです。ゲームそのものでもメインヒロインは、グラフィックやイベントの量が違ったり、 シュチュエーションやシナリオに反則なまでに 力が入っていたりします(逆かもしれませんが。シナリオに力が入っているからこそメインヒロインなのかもしれません)
 でも、誰も文句言いません。それが当然なんです、だって公式ヒロインなんですもん。 メインのヒロインが境遇が優遇されて当然なんです。いや、むしろ優遇されなければならないのです。 それはメインのヒロインを置くということなのです。伊集院や館林、雛山と言った隠しキャラが日陰の身のように 不平等で当然なんです。

 じゃあフローラはどうでもいいのか、というと違います。詩織が「幼馴染でパーフェクト」という属性を持っていて、 それが目標とされてはいても、準ヒロインが全く魅力がなく、選んでもらえないキャラだとすると、 それはそのキャラの存在意義がありません。ゆえに他のキャラは「選んでもらえる」ように 別の魅力を持ってメインヒロインに挑みます。それはメインヒロインが持っている「シュチュエーション」や「シナリオ」 以外の魅力をキャラ自身やまったく別なシュチュエーションでもって挑んでいます。
 たとえば虹野のように「マネージャーの献身さ」や「手作りお弁当」だったり、 館林のように「健気さ」であったり、宮内や保科、来栖川のように簡単に「金髪」 「眼鏡っ子」「年上、無口」という属性をもたせた上で、キャラクターに肉付けしていくわけです。 もっと簡単に「楽して落とせるパラメータ」を持ってたりするわけです。これによって、 キャラクター本体について、同等の魅力を持ち合わせるわけです。
。  その他のキャラがいることによって、「詩織を落とす」ということに意義がでるし、逆に他のキャラも「公式 ヒロインで目標である詩織よりもこっちを選びたい」という愛を表現できるわけです。ゆえに、 公式ヒロイン、準ヒロインは双方なくてはならない存在であるし、必要なんです。

 同じようにフローラは「境遇で優遇されてなくても選んでもらえる属性」を持たされてます。 そうじゃないと存在理由がないからです。それが男の人が望む「清楚さ」であり、やりこみたい人が 望む「強さ」であり、ちょっとでも楽したい人が選ぶ「財力」であります。今回みたいに、結婚式場が ガラリとSFC版と変わり、「ビアンカはSFCと一緒だけどフローラは違うから見てみたい」と思わせる 要素まで入っています。


 それになにより境遇を同じにしたら明らかに不公平ですよ。フローラの方が圧倒的に有利になりますもん。 想像してみて下さい。
 パパスの友人の金持ちルドマン。アルカパに居を構え、大富豪として知れ渡っている。なんらかの理由でパパスを うちに呼び出し、主人公もそれに付いていく。
 おどおどとする幼いフローラを誘い、外に遊びに行くと子供たちが猫をいじめている。人に意見するのが怖いけれど、 とても勇気がいるけれど優しいフローラは言う「猫ちゃんをいじめないで上げて…」子供たちは 意地悪にこういう「レヌール城のお化けを退治したら」と。できっこないだろう?お嬢様には、と言わんばかりに。
 フローラは迷う。そんな怖い事できないと。家を抜け出すなんて父に怒られるし、退治なんてきっとできっこない、 と思う考えをよそに、主人公は「僕が手伝ってあげる」と言う。その優しさに心打たれてその条件を飲んだフローラ。
 そして二人はお化け退治に向かう。怖くて歩けなかったけれど、主人公が守ってくれた。その後を歩いていたら不思議と怖くなかった。 どんなことがあっても耐えられた。そしてなんとかお化けを退治して猫を助ける。フローラは言う「 貴方がいてくれたから出来ましたわ。…とても怖かったけど、怖くありませんでしたわ。 貴方は私の、わたしだけの騎士ね、きっと、ありがとうございます…」そうして再会を約束して別れる。
 そして10年後。山奥の村に先祖代々伝わる天空の盾の持ち主を発見。だがその交換条件が「たった一人の 娘を嫁にやること。その娘を幸せにできることを証明するために二つのリングを取って来い」だった。一人 娘のビアンカは抵抗する。「止めてよ、お父さん!結婚相手くらい自分で選べるわ!」だが主人公を みて一目ぼれ?(モンスターと戦っていた時、一緒に戦ってくれた、とか?)したビアンカは口を閉じた。
 そして炎のリングを取り、水のリングを取るためには船が必要だった。近くの町、サラボナへ行くと、 そこには店を大きくするために引っ越していたルドマンがいた。再会を喜び船を貸してくれるルドマン。そこに 美しく成長したフローラが「ずっと心配しておりました。以前貴方は助けてくれました。…足手まといかもしれませんけれど、 貴方の幸せのために、少しでも協力したいのです…連れて行って下さいませ…」
 …なんてシュチュエーションだったら、正直ビアンカは今のフローラ以上に選ばれない事請け合いです。 多分、SFCがこうだったらビアンカを選ぶなんて人間じゃない!っていうバッシングはフローラの時以上だったと断言します。 健気で、清楚で、それでいて幼馴染…好みもありますが、ビアンカに「強がり」「家庭的」という属性はありますが、 「幼馴染フローラ」への対抗手段としては非常に微弱。だいたい、このシュチュエーションならビアンカと 会話出来ないからビアンカの魅力でないし。フローラには ビアンカの有利なシュチュエーションがあり、会話がほとんどできなくても、 なお選ばれる属性があるのですよ。いや、まぁ、キャラクター的に さっきのシュチュエーションが無理がありすぎるわ!って意見もあるのですが。蒼夢の精一杯です、すみません。


 ビアンカは公式ヒロインキャラクターであり、一応ビアンカを選ぶ事を推奨されています。ゆえに 優遇されるのは当然だと思います。そしてだからこそ、フローラ自身にはすでにそれを上回る魅力が備わっていますし、 結局として二人ともそれなりに全然別の魅力を持った女性、として描かれているのではないかな、と思った次第です。

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