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 1)破水編

 8/28 朝6:40。
 2時に寝た私は、トイレに行くために目を覚まして、体を起こす。「ちゃぱ」…ちゃぱ?
 なんかちゃぱって音がしたよ?とりあえずトイレに行くと、下着がぬれてて、妙に生臭い。…もしかして、 これ破水?いやいや、でもこれだけじゃ良く分からないなぁ。ざばーってでるならともかく、「ちゃぱ」だもんな。 とりあえず下着を変えて様子を見よう。
 破水だとあんまり動かないほうが良いみたいだけど…とりあえず洗濯物干しとこう(真似してはいけません)。 もし本当に破水なら、24時間以内にお産が始まるそうだからにーちゃんも家に帰れないかもだし、室内に 干しておく。そうこうしているうちに、やっぱり下着がぬれている事を確認。よっしゃ!!今日強制入院 することは決まってたし、どうせなら陣痛促進剤とか使いたくなかったから、ちょうど良いタイミングだ!!とガッツポーズ。 産褥ショーツに変えて、生理用 ナプキンを当てておく。そしてにーちゃんを起こす。「なんか破水したみたいだけど…」「とりあえず病院に 連絡してください…」と寝ぼけたにーちゃんに言われ、電話するも病院出ず。とりあえず落ち着いて荷物の 準備(したつもりだったけど、めちゃめちゃ忘れ物して大変でした…)
 7:15再び病院に電話。「あー、朝ご飯出ないんで、食べてきてくださいー」え?それでいいの?破水だと 感染の可能性があるから、急いでこないといけないんじゃないの?と困惑しながら、色々手続きの事を 聞いて電話を切る。せっかく食べろといわれたので、がっつり食べる事にしておく。ちょうど当日返却の DVDがあったので、にーちゃんに返してもらうついでに、卵サンドイッチを買って来てもらいました。うまうま。
 しっかり食べて、そのあとタクシーに電話。さすがに自転車では行けないので。ちなみに歩いて30分なのに1280円 かかったよ!
 到着すると、すでに窓口が開いてました。らっきー。時間外料金は取られないかな。そんなわけでちゃっちゃと病棟へ。 言われた通りにしたつもりだったのですが、なんか手違いがあったらしく「ああ、じゃあこっちで事務手続きを…」とか 言われて、ちょっと申し訳なく思ったり。

 とりあえず陣痛室へ通される。まぁ、普通の病室です。ここ、産婦人科は全部個室なんでここも個室。普通の病室の違いは 旦那用のソファーがあること、痛み和らげるための椅子があること、テレビが見放題なところかな。渡された着替えに着替えて 、赤子の心拍数と張りを見る機械を装着。なんかにーちゃんが興味しんしんでした。
 助産師さんに簡単内診もしてもらったけれど、破水かどうかわからないとのこと。にーちゃんが午前半休だと伝えると、 早めに医者に診察してもらえるようにする、と言われて、とりあえずテレビを見ながらごろごろとする。
 10時過ぎ、診察へ。ここの内診台はえらくハイテクでびっくり。普通の椅子状態から、歯医者の椅子のように勝手に動いて 見やすいようになる、という仕組み。
 診察の結果、やっぱり破水とのこと。でも子宮口が遠いのでお産はまだ先らしく、今日は様子を見て、明日陣痛 促進剤を打ちましょう、ってことになりました。とりあえず、子宮に衝撃を与えて、子宮が下がりやすいように 刺激を加えてくれました…痛かった。
 にーちゃんにそう説明して、とりあえず仕事が終わったら来てくれるということで、仕事に行ってもらう。… 暇。とりあえずテレビを見ながら惰眠をむさぼる。定期的に助産師さんが来て、内診したり体温計ったり入院 計画書にはんこを押したりご飯持ってきて食べたりしてました。あと、 メニューが二つあるうちから選べるので、好きな方に丸付けたりもした。あー、このボルシチっておいしそうだなぁ。 木曜日だけど。しかし…暇。持ってきた本が役に立ったよ。( CDとDSは役に立たなかったな、結局。)
 うろうろしてると、メールを使ってもいい場所を発見したので、母とあさぎさんに「暇ー」とメールを打ってみる。今時の 病院は携帯で話して良い場所や、メールを使っても良い場所がちゃんと指定されてるんですねぇ。便利だ。まぁ、この 病棟建て直したばかりだからかもしれませんが(だから全体的にすっごく綺麗でした。)

 そんなこんなでほとんど寝ておりました。そして夜も遅くなり、晩御飯も食べた20時30ごろ…あー、なんか痛い? なんかそんなに痛くないけど、でも痛い。とりあえず時間をメモする…って、っは!時計忘れた!幸い壁掛け時計が あるけど。あー、にーちゃんが来たら、にーちゃんの時計見る事にしよう…
 陣痛は妙に不定期で、間隔が15分だったり、8分だったりばらばら…これ、本当に陣痛なんでしょうか?あと、 この間隔って終わってからはじまるまで?それともはじまってから次のはじまるまで?どういうタイミングで書けば いいんだろう…?
 あと、痛みも無小中大中小無という感じで毎回山になってるわけじゃなく、無小中大中小小中大…みたいな形で ずっと痛かったりする場合は、どこでかけばいいの?と混乱しつつ、適当に書いていく。
 しばらくして、にーちゃんがやってきました。「なんか痛い…」とか言いながらしばらく必死で書いてましたが、 「…そろそろ、5分間隔くらいなんじゃないですか?ナースコール押したらどうです?」と言われ、助産師さんを 呼ぶ。内診してもらうと「あらー、全然開いてないわねー」とか笑顔で言われる。うわぁ…じゃあ、これ 陣痛じゃないの?「どれくらいの間痛いの?」とか聞かれたので、その時間もメモすることにする。
 とりあえず買って来てもらった漫画とかテレビとかを見ながら、そこそこ痛くない時はエンジョイしてましたが… 12時を過ぎたあたりから、泣きたいほど痛くなってくる。ここらへんになると大体間隔が5分以下、だいたい2分 とかそのくらいになって来る。しかし内診してもらうと、まだ3センチらしい…うわーん。
 とりあえず痛い時に力を入れると、子宮の開きが遅くなるので、「ヒ・ヒ・フー」でのがせ、と言われました。頑張る。 あと、痛い時間のメモはいらないそうな…言ってることが別の人と違うよぅ…あと、時間のメモは、一番 痛くなった時から、次の一番痛くなった時までだそうで。知らなかったよ。

 2時過ぎたあたりからは、もう記憶があいまいです…ほとんどメモを取る余裕もなく、泣き叫んでました。 というか、ひーひーふーとかのんきに言ってられないって!本当に。
 陣痛で痛くなると、とんでもない言葉を口走ったりすると言いますが、そんなことはなく「麻酔打ちたい」とか 「痛いー」とか「もういやー」とか叫んでただけでした。なんというか、腹痛が脳天までつきぬけるような、 そんな痛さでした。
 ちなみに助産師さんは「でも、これくらいの痛みはまだまだね」とか「次の薬は朝11時だから」とか言うのですよ… そして、こんなに痛いのに、まだ子宮口は3センチしか開いてないそうで。それでも開いてるだけ 救われましたけどね…
 私の不幸?は痛みが等間隔じゃなかったので「どれくらいまで我慢すればいいのか」がわからなかったことですね…。 徐々に間隔が定期的に狭まっていくなら、あとこれくらい…というのがわかるのですが、不定期だったので、 どのくらい耐えればいいかさっぱりわからなくて辛かったです。
 助産師さんに「みんな耐えてるのよ」とか言われても、心の中で「皆が耐えられても 私が耐えられるとか限らんのじゃこらー」と叫ぶだけで口にしない理性はありました。一応にーちゃんに暴力も振るわなかったし。 (立ててあった椅子は張り倒したけど)ほとんど寝てないにーちゃんを、「腰をさすってー」と叫んでて、心で 申し訳ないと思いつつも、気遣える余裕はございませんでした…ごめん。あーでも立場が変われるなら喜んで 変わるけどな。
 4時過ぎた早朝になってくると、すでに私とにーちゃんの無言の戦いと成り果てておりました。少しでも痛くない 体勢を探して起き上がって暴れる私。それを無言で羽交い絞めにしてベッドに連れ戻すにーちゃん。ひたすら それの繰り返しでした。にーちゃんは元々無口な人なので、励ましの言葉とかなんもなかったのですが、 私はそれが心地よかったな。下手な事言われてたら暴れてたかも。

 そして、朦朧としてきた7時ごろ。痛いと叫ぶ私を内診して助産師さん「あら、良かったわねー、9センチ開いてるわ。 じゃあ、旦那さん荷物まとめて分娩室に行きましょう」と行ってくれました。
 いや、嬉しかったんだけどさ、正直え?って気分だったのは、いわゆる「いきみたい」という感覚がほっとんどなかったから なのだが。なんかあるなー、ってくらいで「いきみたい!いきむの我慢しなきゃ!」っていうのがまったくなかったんですねど。 …なんでじゃ。そう考えると、ちょっと楽だったのかなぁ。そして、痛みの隙を狙って、分娩室へと移動しました。


 2)分娩編

 おそらく7時過ぎ(さすがに時間を気にしている余裕はなかった)、分娩室へ移動。
「も、もうすぐ終わりますか…?」という私に「それは貴方次第ねー。いきみがうまかったら早く終わるわよ、いきみたいでしょ?」 と、明るく言われる。「いや、あんまり…」と答えると「あらあら」と明るく言われました。
 うまくいきむって、目を開けておへそを見て、陣痛と同時に深呼吸していきむんでした?というと、「そうよー」と ほめられる。まさかまさか、参考にならないと思ってた内田春菊さんの漫画が役に立つなんて…と思いながら分娩台へ。
 …しかし、分娩台にあがったとたん、陣痛がなかなか来ない。他のひともそうらしいですが、分娩台にあがると 安心してリラックスするため、陣痛がこなくなるそうで。痛いの嫌なのに、陣痛をまちわびるというちょっとした矛盾。 だってもう、痛いのから解放されたいよ!!
 おなかに機械をつけてるので、いつ痛いかわかるそうなのですが、私にはさっぱりわかりません。なんか常に痛い。 ついでに、点滴も付けました。なんでだろう。
 最初は普通にいきんでたのですが、うまくいきめなかったらしく、助産師 さんの指示で両足を腕に抱えていきました。これはいきみやすかったな。
 そして正直、深呼吸してる余裕がなく、適当に深呼吸していたため、途中から酸素マスク?をにーちゃんに装着 してもらう。にーちゃんの立会い分娩でしたが、分娩室ではにーちゃん、存在すっかり忘れてた。このマスク付けてもらった時と、 マスクがずれたから直してもらった時以外ほとんど存在を忘れてました。もう必死。
 赤子が大きかったせいか、なっかなか出て来ないんですよねー、力の限りいきん出るんですが、「いきみたい」という感覚が ないため、なんだがあいまい。それでも「もうすぐ頭が出ますよ」とか言われると、やっぱり嬉しい。あと 「あら、骨盤に余裕があるのねー」とか言われた時は、そんな必死の中でも「どんな安産体型やねん、私」と心の 中で突っ込みましたけど。
 そして頭が出る。…私、頭が出たらずるりと後簡単にでると思ってたんですが、肩でつっかえてました。そうよね、 人間には肩幅というものがあるのよね…そこでまた一苦労しました。
 そして、分娩室に入って一時間足らず、8時ジャストに産み落とすことが出来ました。初産婦にしては、ずいぶん早い 分娩時間だったそうな。

 産み落とした瞬間、とりあえず思ったことは「…ああ、もう痛い思いせんですむ…」でした、はい。感動もなにも ありゃしない。だって本当に痛かったんだよー。
 ここの病院はカンガルーケアーを推進していて、へその緒切った赤ん坊を布の上に載せて抱かせてくれました。…ところで 布には消毒してるから触れたらいけないのに、赤ん坊にはふれていいのは何でだろう?
 だっこした瞬間は、やっぱりちょっと感動しましたね。思ったより大きくて、でも小さくて。まだ赤くてしわしわでした。 とりあえず「初めまして」と挨拶してあとは抱っこしてました。
 …しかしこれだけでは終わりません。まだ、胎盤を出すという作業があるのですよ…これがまた15分くらいかかった… いきむわけでもなく、なんか辛かったよ…産んだらもう、痛い思いしなくてすむと思ったのに…
 ようやく胎盤を出したと思ったら「大丈夫かと思ったら、ちょっと肩を出す時にやぶけちゃったのよー。だからこれから 修復作業するわね」と言われる。切ってないのか!やぶけたのか!!見てたにーちゃんが「メスは持ってたみたいなんですけどね」 と言ってましたけど…切ってくれよ!!これがまた、30分くらい?縫われ続けて痛かった…ずっと子供抱いてたし。
 その間に、胎盤を見せてもらいました。私側の方はレバーのようでしたが、子供側の方はなんか青くて面白かったです。 人体が青いって不思議ね。
 はじめてお乳を飲ませました。といっても、まだほとんど出てないんですけどね。それでも一生懸命吸おうとする 子供を見て、「あー、なんか誰かに似てるー」とぼんやり考えてました。
 私、子供ってみんなおんなじような顔をしていて、あんまり区別がつかないと思ってたんですよ!あと「このパーツは父親似、 ここの目のあたりが母親似」と人の顔をパーツに分けて判断するのも苦手なんですが…
 子供をじーっと見てたら「あ、 なんか父方のおばあちゃんそっくりだ」とか思いましたね。生まれたての赤ん坊ってしわしわなので、どうしても 老人に似ているように思えちゃうんですよね。だからこの子はどっちかというと、私方似なんだなーとか思えた自分にちょっと びっくりしました。
 まだ修復作業をしている最中、看護士さんが朝食を持って来ました(笑)まぁ、陣痛中に出されたら「食えるか!」と ひっくり返してた可能性もあるので、終わってから持ってきたのは正しいですが…分娩室に持ってきてもいいんですか?
「食べる?」と言われましたが、正直疲れてて食欲がなかったので、にーちゃんに食べてもらいました。牛乳と食パン 一個もらいましたけど。(ブルーベリージャム入り)片手に赤ん坊抱きながら、もう片手食パンをあむあむと食べる…出産って こういうもんなんでしょうか?横でにーちゃんは冷めたミネストローネ飲んでますよ?のんびりとした時間です。 …縫われてる所は痛かったですけど。

 縫い終わり、ようやく落ち着いて来たところで、夜勤の助産婦さんが帰ってしまうらしく、挨拶をしてくれました。「 蒼夢さんは今日生まれる予定じゃなかったからねー、びっくりだわー」とか言って去って行きました。…うん、多分 病院的にも誰がなんと言っても、安産だったんだろうなぁ…。だがしかし!正直認めたくない…だってめっちゃ 痛かったんだよ…。
 カンガルーケアーは2時間でおしまい。立てる?と言われましたが結構余裕で立てました。歩くのはよれよれ でしたが、病院用の透明なベビーベッドを支えに、ゆっくりと歩いて病室まで向かいました。



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