ワタルの死

『ワタル』の中の死


 波紋を呼んだ「超」の最終回。その中でもっとも批判されているものと言えば「聖龍妃様の死」でしょう。
 ワタルの世界では、敵は殺すものではなく倒すもの。ボスを登龍剣で切ったとしても敵は台詞を はいて空の彼方に消えるだけ。その階層のボスを倒せば(超に限ってはその本人を倒せば)敵は元通りの優しい人間に 戻ります。
 それはワタルがそういう世界だからだと製作者が語っていたと、どこかで聞いたことが私もあります。(実際にその 発言を見たことはありません。)
 だからこそ、超への批判は厳しいものでした。どうしてその世界のおきてを破って、聖龍妃様を死なせる必要があったのか。 今まで人を死なせなかったワタルの世界に、どうして死を持ち込んだのか。その声は多く聞きます。私も そう思っていました。
 ですがワタル全編を見直して、そして超の最終回を見直して、「あー、思ってたより悪くないじゃん」と 思えてしまって。ちょっとフォローしたくなったのです。
 そんなわけで、まず「超」フォロー計画第一弾。『ワタルの世界の死について』まとめてみたいと思います。


 まず、ばっさり切ってしまうと「ワタルの世界に死はない」という前提がそもそも間違っているのではないのかと 思うわけです。ワタルの世界でかなりの確立で実は人が死んでます。悪人、善人問わず、それを記憶の限り あげていくことにいたします。(テレビ版のみ。なお、敵魔神はのぞきます)

 1:死んじゃって生き返らなかった人。
 ドワルダー(2) 聖龍妃様(超) デスゴンドール(2)空神丸(1)

 1.5:死んじゃって生き返らなかった人過去編。
 ユリア(2)

 2:扱い的に死んだことになったけれど、『理由を持って』生き返った人
 龍神丸(1) 戦神丸(1) 幻神丸(1) クラマ(1) シバラク先生(超)

 2.5:扱い的には死んだことになったけれど、『なんとなく』生き返った人
 虎王(1) ドンゴロ(1) マーダレス(2)

 3:なんかよくわかんないけど生き返った(死んでなかった?)人
 ドアクダー(1) 暗黒龍(2)

 全部見ながら書いているわけではないので、見逃しているのもあるかもしれません。


 分類についてですが。
 1については言うことはありませんね。デスゴンドールはなんで生き返らなかったのか、本当に謎です。 (本来2.5に入れていた空神丸ですが、空王丸は空神丸の夫婦という情報を得ましたので、こちらに移動します。)
 1.5については、昔のアニメ雑誌に乗っていたことを思い出し拾いました。「昔の話とは言え、ワタルの世界で 人が死ぬなんて!!」とおっしゃられていたので…
 2の龍神丸は、玉になっておりましたが、あれは実質「死」と言っても差し支えないでしょう。「復活」の聖水なわけですし。 ワタルも死なないで!と言っておりましたし。クラマについては疑問に思う人もいないでしょう。戦神丸、幻神丸は 生き返った理由が微妙にあいまいなわけですが…一応こちらにカウントしました。シバラク先生につきましては、 批判的な言葉しか出そうにないので(皆さん批判の言葉を聞いたことないんですが、納得してるのかなぁ?あれ? 聖龍妃様の死より納得いかんのだが…)
 2と2.5については一応、「ワタル達の意思の力でよみがえった」ものと「なんとなく正義のパワーでよみがえった」の 二分割です。でもあいまいです。
 2.5は「世界が平和になると同時に復活した」人たちです。(空神丸のぞく)生き返っておりますが 「仇」などと言う言葉が出ておりますので、実質死んでいるのと同じだと思われます。空神丸については魂が抜けてますしね。
 3は…二人とも悪役なんですが、ドアクダー、なんで生きてるのか、と思うくらい生身をすぱっと縦に2分割 しているわけで…死んでない…というよりも死んで復活したように思うのですが…(魔界の者だからそうでもないの…?) 暗黒龍もまたしかり。「倒した」と言ってるので死として分類しておきます。

 こうしてみると「レギュラーで死んでないのワタルとヒミコだけかよ!!」と言うのが良くわかります。 (私も書いててびっくりしたよ)みんな結構死んでる。むしろ 超が一番人が死んでいない、ということが良くわかるでしょう。
 つまりワタルは「死を扱わない」のではなく「死んで生き返ってる」から、みんな見逃していたというのが結論だと 思います。ワタルの世界には死はないっていうのは嘘なわけですよ。

 …正直なところ、生き返らせたらいいのか、というとそうでもないと蒼夢は思います。ドラゴンボールなんかは 結構そのあたり批判されてますし。
 なぜワタルが違ったのかと言うと死を重く扱ってきた、決して軽くは扱わなかったから…ですかね。 ただ死なせるわけではなく、その先に意味があったのだと、私は思います。
 聖龍妃様の死の意味については、また別に語りたいと思っております。

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