「どうしても、駄目か?」
 オストの声にもこたえない。
「俺はそういうのに付き合う気はねえ。だいたいそんな事言ってる暇があるなら、 おまえ自身が訓練して強くなったらいいだろうがよ。」
「けど…」
「とにかく、俺はお断りだ!!どーしてもって言うなら、他を当たれ!!」
「じゃあ、代わりに僕なんてどうかな?」
 その言葉に振り向くと、にっこり笑って自分を指差すルーンが居た。
「え、でも…」
「えっとね、レオンが強いのはね、レオンのうちに道場があって、ものすごーく強いお祖父さんに 鍛えられたからなんだけど。」
 ルーンは言って、言葉が足りないことに気がつく。
「えっと、そのまえに、僕とレオンとリィンは親戚なのね。レオンのところは本家だから僕も 良く遊びにいったんだけど。小さいころはすごく頻繁に遊んでて、よくお祖父さんに一緒に鍛えてもらったんだよ。」
「つまり、師匠が一緒ってことか?」
 オストの言葉に頷く。
「うん、レオンほどは強くないけど、何回かレオンに一本、取ったことあるよ。役に立てるなら、やるよー。」
「本当か!いや、でも使い物になるか…」
 迷うオストに、ルーンは笑う。
「だったら放課後にでも一戦やってみようよー。勝てたらってことでどう?」
「うん、それならいいだろうなー…」
 納得したオストの横で、ルーンがレオンに微笑んだ。
「そういうことでいいかなぁ、レオン?」




ああー、と適当に返事をする。    やめとけ、と止める。  

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