星の導くその先へ
―双星の一つ、堕ちる時、―
ここは山奥の名も無き村。満天の星を見上げる二人の若者がいた。
一人は美しいエルフの娘、シンシア。もう一人はそのエルフが住む、森のような髪をした少年、ラグだった。
―対となる星、輝き出さん―
「ここの空は、いつも綺麗ね」
「僕はここ以外の空は見たことないから、よくわからないけど。でも、綺麗だと思うよ。」
そしてそれは、側にシンシアがいるからだ、とラグは思う。
―その星、いつか天頂に昇り、―
「あ…」
紅き、星が一つ流れる。
二人はそれを見るや否や、願いを捧げた。
「なんだか…怖いわ…」
シンシアはおびえたように、ラグにそっと近寄った。
「怖いって、何がだい?」
「あの星、本当に紅かったもの。私が流す、涙のように…」
それはかすかに感じた、不吉な予感。
―まばゆき光を、放ち出す―
エルフの娘、シンシアはルビーの涙を流す。しかしラグはシンシアの涙を見たことはなかった。知識としては、知っていたが。 だから、ラグはこんな風に言った。
「でも、シンシア。そんな事言いながら、願い事、祈ってなかった?」
「えへへ、それは話が別なのよ。」
シンシアは照れたように笑った。
―その星光は、陽さえも勝り―
「ねえ、ラグ。何を、願ったの?」
「え?シンシアは?先に言ってくれたら言うよ。」
「…私はね…ラグとずっといっしょにいたいなって、そう、願ったわ…」
いつも笑顔のシンシアが、時たま見せる儚げな顔。それは、願いと言うより、祈り。
―天界、地界を照らし出す―
「僕はね、シンシアを守れるほどに、強く、なりたい。そう願ったよ」
ラグにとって、それは願いと言うよりも、決意だったのかもしれない。 未だ、誰からも勝ちをとった事のない、ラグの決意。もっともそれは、この村にいる人間が、 皆、標準以上の腕の持ち主だからなのだが、この村から出た事の無いラグは、それを知らない。
「がんばってね、ラグ。私、何時までだって、待つわ。…ラグの為なら…」
「お互い、叶うといいよね」
「大丈夫よ、きっと叶うわ」
「きっと、あの星が、聞き届けてくれるよな」
「ええ、きっと…」
そして、その願いは…叶えられるだろう。
―いつかその星、堕ちるまで。―
それはまだ、伝説の始まる、ずっと前のお話。
名も無き村での、平和な村での、ある時であった。
と言うわけで序章です。ここでの勇者の名前はラグと言います。 いや、小説やらと同じ名前にするのは嫌で、かといって私のデフォルト名、カルアにするのもね、これ5でつけた名前なので、 どうにも勇者らしくないし(笑)そこで小説版「ユーリル」とCD版「レイ」の名前でリルレの残りの ラをとってラグにしました。ロは思いつかなかったんですよ。それでは、これから、お付き合うのほど、よろしくお願いします。
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