昔の夢を見ていた。『昔』の夢ではなく、『昔の夢』過去に見た夢を なぞるように、僕は同じ夢を見ていた。 僕は空から、昔の僕の夢を見ている。幼い僕は見知らぬ森で目を覚ます。光に導かれるように 森の奥へと進む。そこには白く輝く滝があった。 その美しさに見とれていると、幼い僕に声が響いた。 ”トゥール、トゥール…私の声が聞こえますね…” それはとても優しい声。脳に響くような、あまりにも心地よい声だった。 「…誰ですか?」 ”…私は、全てを司る者。どうか私に、貴方がどういう人なのか、教えて欲しいのです。” 幼い日の僕は、その言葉に頷いた。 ”あなたにとって勝利とは戦うことで得られるものですか?” ”町の人達と話すのは楽しいことですか?” ”どんな理由であれど一度かわした約束を破ってしまうのはいけないことと思いますか?” ”世の中には楽しいことより悲しいことのほうが多いと思いますか?” そんな良く分からない質問が、次々と滝から問いかけられる。それが本当に滝の声なのかは、僕にも わからないけれど。 (僕、変わってないな…) あの時にされた質問。その時答えた言葉。それは今もまったく同じ。変わらず胸の中にあった。 ”夢を見続けていれば、いつかその夢が叶うと思いますか?” そう問いかけられた言葉。その時問いかけられた時の気持ち。それは、夢の中の出来事だったにも かかわらず、今もはっきりと思い出せた。 僕は、幼い頃の僕とほとんど同時に頷いた。 「「はい」」 そう答えたとたん、声だけしか聞こえない滝の声が、幼い僕ではなく、今の僕を見た気がした。 ”では、最後の質問です。” そう声がしたとたん、僕の意識はふっと消えた。 気がつくと、不思議な洞窟の中にいた。 どうしてそこにいるのか、何しに来たのか。良く分からなかったが、なぜがそこに疑問はなかった。 道はまっすぐ前に伸びている。僕は疑問を持たずそのまま前に進む。すると立て札があった。 ”西に進むべし。” 道は西と東にあった。僕は少し考えて、立て札のとおりに進む。目的地がどこかわからないから、とりあえず従おうと 思った。 するとしばらくすると、また立て札があった。 ”危険!北には進むな!” だったら東に進もう。僕は歩いた。すると、十字路にまた立て札がある。 ”出口に進みたくば、南へ進むべし!北、東は死あるのみ!” 僕は出口に進みたいのか、少しだけ考えた。でも、いつまでもここにいても仕方ないような気がして、 とりあえず立て札に従うことにした。この立て札が本当かどうかは、多分わかるだろうから。 それから、ずいぶんぐにゃぐにゃと、長い道を歩いたような気がするし、あっという間だった気がする。立て札が あった。 ”汝何事があろうとも、ただ一直線に北に進むべし” つまりずっとこのまままっすぐ進めば良いのだと思った。 不思議だった。普段なら気になるはずの曲がり角も、宝箱もなんとなく気にならなかった。 すると、ようやく階段が見えた。あれが出口だと分かって、嬉しくなる。 すると、声がした。 「…誰か…助けて…誰か…」 見ると、西の部屋で女の人が岩に挟まれている。その人は、あまり美しいとは思えない顔立ちを していた。 「た、…助けて……」 その人は本当に苦しそうにうめいていた。迷いは一瞬だった。僕は道を曲がるとその女の人の元へ行き、 石をのける。重くてのけられなかったらどうしようかと思ったけれど、なんとかのけることができた。 「あ、ありがとうございました。貴方も助けてくれないかと思いましたわ。皆、まっすぐ 出口に向かわれるんですもの。本当にありがとうございました。」 「それは…」 立て札の事を説明しようとした時だった。目の前の女の人がふっと消え、そして目の前がぐにゃりとゆがんだ。 序章です。序章の展開から分かってくださるでしょうが、話は一応SFC版を基準に進めていくことになります。( SFC版しかクリアしたことないんです…FC版プレイした事はあるのですが。) いわゆる性格判断ですが、序盤の質問は結構でたらめです。あてにしないで下さい。 それでは長い連載になりますが、どうぞよろしくお願いいたします。 |
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