(第二容疑者、勇者ラグ)

 ぼ、僕は何も知りませんよ!アリーナさんのことも、僕は何も知りません!
 はい、僕はあのあと、村に行き、そして渇きの石のことを知りました。…あと宝の洞窟にメタルキングの剣… とか言う剣が眠っている、そう聞いたような気がしました。
 その後夕食を食べ、ライアンさんと二人で剣の訓練をしました、ライアンさんは王宮でも剣を 教えてらっしゃたようで、とても判りやすかったです。その後、暗くなってきたので、訓練を 終え、お風呂に入って部屋に戻りました。
 その後、クリフトさんも物を知らない僕に、色んな事を教えてくれました。とても楽しかったですよ。 ですが、明日もあることですし、ほどほどに切り上げ、寝ました。

 ええ、クリフトさんもおっしゃったとおり、きちんと部屋に鍵はかけましたよ。 いえ、夜中に目は覚ましませんでしたし、クリフトさんのように夢も見なかった…と思います。
 ああ、そういえば…いえ、違います、そうではなくて…夜中に眠りながらですけれど、 気配を感じたような気がしますね…こう、枕もとに立たれたような…普通なら飛び起きるんですけど、 なんだか危険を感じるような感じでもなかったですし…なんて言いますか…生気を感じなかったんです。いえ、あれは 生気がないわけではなく、少なかった…精彩に欠いていた…そんな感じでしょうか?
 え、幽霊?いえ、違うと思いますよ。一度お会いした幽霊には気配がありませんでしたし。 …クリフトさんの気配かどうか?いえ、判りません。寝てましたし。 でも少なくとも僕は夜中にクリフトさんが布団から立たれたところをみてませんし、感じませんでした。
 それで、朝はブライさんが起こしに来てくださって、僕、扉を開けてブライさんに中に入っていただいた んです。そこでブライさんが顔を真っ赤にして怒鳴られて…ああ、知ってる?すいません。
 ぼ、僕がですか?違います、無理ですよ!アリーナさんを部屋から運ぶ事なんで出来ません! アリーナさんがどうして僕の名前を言ったかなんて、判りませんよ!

 大体この部屋の扉が開けられても、アリーナさんたちの部屋には入れませんよ! もし、僕かクリフトさんが部屋に入ったら、三人が気がつかれるでしょうし、なにより盗賊の鍵は アリーナさんが持ってらっしゃいますし、魔法の鍵はマーニャさんにお返ししましたよ! 僕は開錠の呪文なんて使えませんから!


 (第三容疑者 モンバーバラの踊り子マーニャ)

 え?あたしが面白がってアリーナを運んだんじゃないかって?…確かにそれは面白そうだけど… 違うわよ!鍵はラグから預かってちゃんとミネアに返したわ!ラグの部屋、開けられないわよ!今だって 鍵はミネアが持ってるんだから!それに夜中にあたしたち、アリーナが見つからないからってわざわざ宿屋の外、探したんだからね! もしあたしがしたんなら、そんなことするわけないでしょ?

 はいはい、昨日の行動ね。昨日は昼間外に出て…なーんもない村だから、つまんなくなって扇の手入れとかしてたわ。 いつだってそういうことは万全にしてなきゃね。…え?はいはい、宿屋の下にお酒探しにもいったわよ。でも、 酒場なかったわよ。ほんと地味な村ねー。コーミズより地味なんじゃない?
 で、夜はちゃんと寝たわよ。夜更かしは美貌の大敵!このマーニャちゃんの美貌が損なわれるなんて、世界的な 損失だもんね!・・・うるさいわねえ、ミネア。お酒は別!あたしの薬なの!
 で、夜にミネアに起こされたの!なんかアリーナがいないって。あたしはまた、外でこっそり訓練してると思って、 すぐ戻ってくるって言ったんだけど、あんまりミネアがうるさいからとりあえず村の中を探してみようと思って。一応付き合ったわよ。
 そしたらさあ、凄いわよね。この小さな村、さらに小さくなってるの。満ち潮?だっけ?少なくとも砂浜で 訓練してるわけじゃなさそうだわって思って、とりあえず一通り見て、寝たわよ。眠かったし。
 で、朝起きて、ブライの怒鳴り声が聞こえたのよ。で、急いでラグたちの部屋に行ったってわけ。
 ああ、そう言えば、なんかおかしなものを見た気もするわね…え〜、もういいでしょ?ミネアに聞いてよ。 とにかくあたしじゃないわよ。鍵はミネアが持ってるもん、返したんだから。 それにあたしじゃアリーナ運べないわよ。マーニャちゃん、か弱いんだから。


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