(第四容疑者、モンバーバラの占い師ミネア) ええ、姉さんの言う事はおおむね正しいですわ。私が保証いたします。 え?私がですか?しませんわ、そんなこと。私がそんなことするわけありませんでしょう? それに夜中に殿方の部屋に行くなんて、そんなはしたない事いたしませんわ。 私は昨日、昼間はアリーナさんが訓練しておりましたので 横から見ておりましたわ。もしも怪我などされてはと思いまして。 そんな怖い顔なさらないで下さい、クリフトさん。 本当はクリフトさんを呼ぼうかと思ったのですけれど、 アリーナさんが呼ばないでとおっしゃるものですから。 夜ですか…ええ、皆様と同じようにお食事をして、眠りましたわ。ああ、姉さんにオーリンの事を 色々聞かれましたわね。そして鍵を確かに返してもらいましたわ。…ですから 姉さんは違うと思いますわ、身内の意見では役に立たないかも知れませんけれど、もし姉さんがしたのでしたら、 翌朝に返すと思いますもの。 その時のアリーナさんですか?確か、武器の手入れをされてましたわ。ええ、大切に磨かれておりました。あの武器も 私の水晶玉やタロットと同じように長年のお付き合いなんでしょうね。 そして夜に目を覚ましましたわ。ええ、寝つきが浅かったのだと思いますわ、潮騒の音が うるさかったものですから。そして何気なく部屋を見渡すと、アリーナさんがいらっしゃらなかったのです。 そして姉さんを起こして行方を聞きましたの。姉さんはぼけぼけ…いえ、失礼、少し寝ぼけていたようで のんびりと「だいじょーぶよー…ミネア」と言ってまた寝ようとしましたの。何かあったらどうするつもりだったのでしょう? ええ、そこを何とか説得して、とりあえず村を一周しようと思いましたの。訓練は昼間にしてらっしゃったのですもの。 あ、そうですわ、私たちが出た時、鍵は確かに閉まっておりました。私、開けましたもの。 当然ですが扉に傷もありませんでしたわ。 そして外に出て驚きましたわ。浜辺が全て海に飲み込まれているんですもの。そうですわ、先ほどクリフトさんとラグさんが、 渇きの石をおっしゃられましたわね。私、もしかしたら見つけたかもしれませんわ。 ええ、浜辺を飲み込んだはずの海が、なぜか一箇所だけぽっかり開いておりますの。切り取ったように。 渇きの石と申しましたわね。もしかしたら海の水をその石が吸い取っているのではないでしょうか? それはさておいて、それを見てびっくりした私は唐突に思い出しましたの、占いでアリーナさんの行方を調べればどうか、と。 ええ、私も寝ぼけていたようですわね。それで部屋に帰って水晶に尋ねてみましたわ、アリーナさんの行方を。すると布団で 眠っているアリーナさんが見えましたの。それで安心して私、そのまま寝ましたわ。まさか、こんな所で 眠っているなんて…そこまでは見えませんでしたわ。 あの…僭越ですが、アリーナさんを起こして、直接お聞きになってはいかがでしょう?ええ、では失礼しますわね。 アリーナさん、アリーナさん起きてください。 (第五容疑者 サントハイムの王女アリーナ) ほえ…私、なんでこんな所で寝てるの?…ふえ…ブライ、怖い顔してるわね、今は壁けり壊したり してないわよ…?あれ?クリフト、私の隣りで何してるの?…あれ…そう言えば皆いるわね?どうしたの? え?ここはラグとクリフトの部屋?そういえばベッドがないわね…?なんで私こんな所に? え?昨日からの行動?なあに?なんで?え?いいから?判ったわよ。 昨日この村に来て、この人たち盗賊の末裔って言うからちょっと嬉しかったのよ、腕試しが出来るかもって。だけどもう、 今はすっかりただの漁師だって言うじゃない?しょうがないから、あきらめて浜辺で訓練しようと思って。ほら、 浜辺の砂って走りにくいから、そこで素早く走れる訓練と、あと岩に向かってちょっと武芸の訓練をね。 怒んないでよ、ブライ。ちゃんとできる時に訓練しなきゃ、危ないでしょ?モンスターはますます強くなるし。 あー、だからクリフトにもブライにも見つからないように訓練してたのよ。 ミネアさんが擦り傷とか治してくれたし、訓練は進んだしで上機嫌で戻って、部屋で武器の手入れをしたわ。私の片腕だもん、 手入れは怠っちゃいけないわ。それで心ゆくまでぴかぴかに磨いて寝たわ。 夜?何もないわよ、今起きたんだもの。…え?本当かって?本当よ。他に何かないかって…? …えーと…そう、夢を見たわ。…よく覚えてないけど…うーんと…そう!ラグが…ラグが…死んじゃう夢… ううん、今は細かいことはよく覚えてないわ。ごめんなさい、ラグ、こんな縁起の悪い夢見て。夢は 眠りが浅いと見るんだっけ?…潮騒のせいかしらね? それで私、飛び起きて、哀しくて悲しくてぽろぽろ泣いたわ。そしたら急に不安になって。余りに リアルだったから、どうしてもラグが死んでないか確認したくて。おかしいわね、今はその夢のことちっとも 思い出せないにね。 そう!それで私、寝ぼけながらも盗賊の鍵で扉を開けて、ラグの部屋に行ったのよ!そうそう。 うん、ちゃんと部屋の扉は閉めたわよ、あぶないものね。 で、ラグの部屋の扉開けて、ちゃんと鍵を閉めて…そしてラグの顔を見に行ったの。ラグはちゃんと安らかに寝てて… 私安心してへたり込んだわ。あの夢が本当じゃなくて良かったって、ちょっとまた、泣いちゃったわ。 そしたらクリフトが頭撫でてくれたの。こう、眠りながらね。私ほっとして、そしたら眠くなって。そうしたらクリフトが 寝ながら私のこと、抱き寄せて、また頭撫でてくれたのよ。なんか安心しちゃって そのまま眠ったの。もう、夢も見ずに気持ちよく寝ちゃって。 ご、ごめんなさい。別に夢遊病じゃないわよ!ちょっと寝ぼけてただけ!ごめんなさい、もうしないわ! そうして、静かな村に、一騒動がおきた。聞くところによると1昼夜、部屋から可愛い女の子の喚き声と、老人の スパルタ授業の声が響き渡ったという―――― はい、そう言うわけで番外編でした。…第一人称って難しいですね。本当は アリーナの台詞も使いたくなかったのですが…無理でした。 でも楽しかったです。さくさく進みました。製作日数一日。コメディですし。…落ちはミエミエでしょうか?すいません… もっと練りに練った話を書ければいいんでしょうけれど、単純ですね。ちなみに最初にも書きましたが、推理物ではありません。 一応クリ×アリ…でしょうか?勇×アリじゃあないですよ。でもラブラブじゃないですね…ええ、ただのコメディです。 一応この話は本編に係わり合いのある話です。本編の 19話と 20話の間に入ります。 文章が余りにも本編とかけ離れてますし、コメディですし、 このイベントはゲームクリアするのに必要のないイベントなので便宜上、番外編とさせていただきました。 読まなくても話繋がりますし。でも読んでくだされば、より楽しいかと。 それでは、読んでくださってありがとうございました!本編の方もお楽しみくだされば幸いです。 |
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